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架空都市設定資料「首都:大都」[No.7972]

 「大都(だいと)」は月本國の首都で、法令上は国内唯一の特別政令指定都市である。尚、この法令は月本國独自に制定されたものであり、現実世界にこんな法令下の都市は存在しない。
 かつて月本國は、1道3府43県による47道府県の構成であった。その一つである「都会府」の府庁所在地として、当時は政令指定都市だった「大都市」が存在した。
 やがて人口の増大に伴い、当時の大都市の都市機能は著しく膨大なものとなった。そして都会府の他の地域でも人口が増え続け、都会府単独では他の道府県との格差が著しくなり、多くの問題が発生してしまった。
 そこで大都市は都会府から分離独立し、どの道府県にも属さない特別政令指定都市として新たな出発を遂げた。同時に、大都市を分離した後の都会府には、北大都市に府庁が新設された。以来、月本國は1都1道3府43県による48都道府県の構成となった。

架空都市設定資料「首都:大都」[No.7973]

 現実世界にたとえるならば、大都は東京都区部で、都会府は東京都の多摩地域のような位置付にはなるだろう。だが、東京都は都区部と多摩地域に伊豆諸島や小笠原諸島の島嶼を加えた領域がすべて含まれるのに対して、大都はそのうちの都区部に該当する地域のみを指すことになる。都会府は多摩地域に埼玉県を合わせたぐらいの規模であり、島嶼に相当する岐津諸島は和泉県に属する。よって、地域性や文化的には現実世界に似ているかもしれないが、実際はかなり異なると思われる。
 さて、通常の政令指定都市は、道府県に所属するうちの一つの自治体としてカウントされる。市内は行政区で区割りされているものの、そちらに自治体としての権限は無い。これに関しては現実世界と同じである。
 一方、月本國独自の特別政令指定都市は別格扱いで、単独で道府県と同等の権限を有する。そして市内の区割りは特別区と称され、そちらも行政区よりも格上で、単独で通常の都市と同等の権限を有する。

架空都市設定資料「首都:大都」[No.7974]

 特別政令指定都市は道府県と同等なので、自治体としてはカウントされない。特別区がそれぞれ自治体としてカウントされるのは、現実世界の東京都区部と同じである。
 ここで長い間議論になっていたのが、月本國の都道府県の「都」が何を指すのかである。後付けされて48となった数のうちのたった一つの存在だし、見るからに「大都」又は「首都」の「都」でないかと思われるだろう。それが今回の議論によって、遂に明確にけりが付いたのではないか!?
 そのヒントは、都道府県及び自治体の数のカウントをする上で、前述の法則に従って矛盾が生じないようにするにはどうするか? …である。尚、現時点で公式サイトの設定資料では、カウントの方法が異なっているので誤差が発生している。恐縮だがそちらは後で直すので悪しからず…。この記事をもって最新の設定とする。

架空都市設定資料「首都:大都」[No.7975]

 その答えはどちらでも無い。「特別政令指定都市」の「都」である。作者自身もこの連載を始めるまで考えるのが面倒臭かったが、意外な結末に驚いている。いやもう「何じゃそりゃ~!!」な突っ込みが各地で飛び交っているだろう。
 これじゃあ「特」の方が誤解されないのではないか!?でもそこは現実世界の「都道府県」に合わせないと、どうしても語呂が悪過ぎるしオリジナル感が強過ぎてピンと来ない。
 ところで、月本國内の特別政令指定都市は、今後増える可能性はあるのか? 仮に仙波市や尚武市が大都と同等の特別政令指定都市になろうにも、府県内の他の地域と分離するのは難しい。よって、大都が首都であって唯一無二の特別な存在というのが、世論の見解とされている。そうなると、特別政令指定都市がこれ以上増えることは考えにくい。都道府県の「都」に対して様々な見解が生じたのは、かくなる事情によるものではないか…。

架空都市設定資料「首都:大都」[No.7976]

 大都はかつて都会府庁所在地で、通常の政令指定都市であった。例えば、旧:都会府庁の住所は「都会府大都市月本橋区野村1-1」であった。それが都会府から分離して特別政令指定都市となった現在、住所はどう変化したのか?
 少なくとも都会府ではなくなったわけだが、特別政令指定都市ということは「大都市」であることには変わりない。その先は、かつて行政区だったのが特別区に格上げされただけで、名称自体に変化は無いだろう。てことは、上記の住所から「都会府」を削除すればOK …ということになるはずである。実際それで郵便物は届くし、別に古い住所のままでも郵便局で対応できるだろう。
 だが最近になって新たな流れが生じている。それは「大都市」の「市」の文字が省略されて、単純に「大都」と称していることである。このブログにおいても、現在の表記は「首都:大都」で概ね統一している。単純に「大都」でもよいのだが、そこはあえて首都であることを強調する目的で、このブログのオリジナル表記と言える。

架空都市設定資料「首都:大都」[No.7977]

 「大都市」から「大都」へ変化した理由は、「大都市」と表記すると、一般的な熟語と固有名詞とがかぶってしまうからである。これに関しては昔から国民の間で言われていて、各地で少なからず混乱を招いていたらしい。このブログでも一般的な名詞として用いる場合には度々苦労していた。
 法令上は特別政令指定都市ならば、厳密には「大都市」のままであるべきところなのだろう。だが、47道府県から「都」が追加されて48都道府県と称されるようになった歴史からして、明確に「市」から脱却する流れは存在していた。
 もはや大都は「市」ではなく「都」なのだ!…と主張しているかのようだが、そうすると「大都」までが固有名詞なのだから「大都都」となるべきところではないのか!? いやさすがにそれではまどろっこしくてあまりにもダサイのではないか!?何だかんだで現在は世間一般的にも「大都」と称されるのが普通になったし、そこの自治体や都道府県を単純に「市」「区」「町」「村」「道」「府」「県」と略す場合も、かつては「市」だったのが「都」と称する流れになったようである。

架空都市設定資料「首都:大都」[No.7978]

 …で結局正式な住所やいかに? 「大都市〇〇区」「大都〇〇区」どちらでもOKという見解である。現在は後者が優勢ではあるが、長い間前者が用いられてきたので、当分の間一本化する予定は無いらしい。スクロールマップでは後者を用いる方針である。
 だけどこの議論はまだ終わりにできない。単純に「市」を消すか「都」に変更するかで大抵のものはけりが付くが、公営で鉄道やバスを運営する「大都市交通局」の扱いをどうするか? これを「大都交通局」にするのは少々迷うところである。
 地下鉄は現実世界の東京のように二つも事業主が混在していないので、単純に「地下鉄」と称するだけで問題無くこれを指すことになる。ならば変えても全く抵抗は無い。だが、市電を今になって都電と変更できるのか? 所詮は空想世界なのだから、設定上の理由で片付けてしまえば、すぐに変えることはできてしまう。だけど作者の脳内ではずっと市電田野川線だったので、ある日突然都電田野川線にするのには、まるで東京さくらトラムぐらいの抵抗があるではないか…。ならば大都LRTとか田野川ライトレールとか!? う~ん…これも微妙。「田野電」とか「たのでん」だと田電たのくに線と混同しそうだし、まだ結論は出ない。

架空都市設定資料「首都:大都」[No.7979]

 公式サイトのTOPでは、試作ながら少しばかり首都:大都の中心部、要するに都心の地図が表示される。No.7976で登場した旧:都会府庁に相当する場所は、「大都庁」という表記になっている。ここが現実世界では新宿にある都庁に相当する場所となる。昔の府庁舎がそのまま都庁舎へ移行したというのは、ごく自然な流れと言えるだろう。
 そこでこれを書いているうちに、思わぬ疑問が生じてしまった。首都:大都は旧:都会府時代には政令指定都市の大都市だったわけだが、当時は府の行政を管轄していた都会府庁とは別に、市の行政を管轄していた大都市役所が存在したはずである。では旧:大都市役所は一体いずこに!?
 作者の脳内では、昔の都会府庁と大都市役所が今までずっと完全に同一化されていた。よって以下はとりあえずこの場でまとめた案である。その場所は月本橋区菱町、又は中央区本町のいずれかと考えられる。前者は都や国の機関が集中する場所なので有力と思われるが、後者も本町という地名が大都の中心を思わせる。
 それはそうと、用済みになった大都市役所の旧庁舎は一体どうなったのだ? 跡形も無く取り壊されたか、何かの施設に転用されているか、まあそんなところだろう。中央区の本町公園が旧:大都市役所ではないかという案もあるが、公園そのものの歴史は古いので、全域がそうだったとは考えにくい。

架空都市設定資料「首都:大都」[No.7980]

 大都において「都心」と称される地域は、GR中丸線と東西本線を大都・東院山・月本橋の3駅で囲んだ、半円形の内側とその沿線を指すのが一般的である。その中でもR1を中軸に、東に旭通り、右に黄昏通りが南北へ通る辺りは、国や都の機関や民間企業の本社が集中するオフィス街となっている。
 かくして、中央区と月本橋区は似たような街並みで、常にセットで扱われることが多い。だが、それぞれに巨大ターミナルがあって二極化していることで、互いに張り合っているところもある。もっとも、ドーナツ化現象による空洞化が進んだせいで、昔からの居住人口は少ない。
 月本國内各地から「大都」までの距離を示す場合、その基準となる場所は月本橋である。一方、鉄道で大都内各駅から遠方へ向かう場合の営業キロは、大都駅を基準にして計算される。他にも色々な場面で基準が異なるようで、その複雑さで議論に挙がることも多いらしい。

架空都市設定資料「首都:大都」[No.7981]

 「中央区(ちゅうおうく)」
 24区の表示順でトップに立ち、ずばり「大都駅」を名乗るターミナルがあることから、ここが"大都の中の大都"、大都の中心であることを主張しているようである。そう考えると、前述の旧:大都市役所の位置がどこか?という議論も、こちらの方が優勢かもしれない。尚、大都駅周辺を「大都」と称してしまうと混乱するので、「本町」又は「大都本町」と称するのが一般的である。
 元々は大都駅周辺の地名は「井戸」であった。設定上は「江戸」に対する地名として考えられたと思われる。ただ、実在世界の江戸は都区部の広範囲を指すのに対して、井戸と称される地域は中央区の限定的な範囲である。
 大都駅は鉄道開業時から名前も場所も不動である。SLによる公害を発していた影響で、昔はこの辺りは何も無かった。よって、周辺の田野川町や追手門よりもずっと後に発展したことになる。
 鉄道駅はGRが大都駅を名乗るのに対して、他は近接する井戸駅に路線が集中している。実際両者は徒歩で乗り換え可能な距離だが、これは東京駅と大手町駅、大阪駅と梅田駅のような感覚だろう。

架空都市設定資料「首都:大都」[No.7982]

 大都駅周辺が鉄道によって発展を遂げた街となると、とある疑問が生じる。それに気付いた人がどれだけ居るかは知ったことではないが、設定上はずっと昔から、やっちまった…という感覚を引きずっていた。後からこっそり地図を描き換える気にもならず、この大都駅の構造や路線網を維持するためには、どうにかしてシナリオを完成させなければならなかった。
 では一体何のことを言っているのやら!?それは仙波方面へ向かう東西本線と形方面へ向かう大形本線がほぼ直角に立体交差していて、線路がつながっていないことである。現代においては何の問題も無いだろうが、昔の鉄道網の整備からすれば、国家の発展を担うべき幹線同士の接続駅としては違和感があるのではないか!?

架空都市設定資料「首都:大都」[No.7983]

 大都駅の立体的な構造はどうなっているのか?横方向の東西線・花加本線・未谷線は地平、縦方向の大形本線・中丸線は、本町~仁木町にかけて地下や掘割区間が続く。そして新幹線は更に地下深く潜っている。
 路線の平面的な進行方向も立体構造も昔から変わっていないのならば、縦方向が後からできたと考えるのが妥当だろう。東西本線は現実世界の東京と大阪を結ぶルートに相当するわけで、それに関しては肯定である。縦方向はそちらに比べて都市圏の数や人口も少なめだし、日月山脈を越える区間が難工事だったことから、開業はかなり遅れたと思われる。
 当時から重要だったのは貨物輸送だが、これに関しては未谷線が通っていることで解決している。そもそもこの路線の設定は、やっちまった感を解消すべく、後から線を描いたことは肯定する。大都~大輪は中丸経由の方が昔から沿線人口は多かったが、大都駅付近は川が接近している地形とあって、大都駅直前で横方向へ線路を曲げるのは困難とされたのだろう。未谷線は旅客線としては各駅停車のみのマイナーな路線ながら、貨物輸送を担う重要なネットワークを形成している。

架空都市設定資料「首都:大都」[No.7984]

 現実世界における昔の鉄道路線は、各ルートごとに異なる会社が建設を進めるのが普通だった。それらを当時の国鉄が買収して全国ネットワークを形成していった歴史がある。月本國がその歴史に当てはまるかどうか? 流れに逆らわなければそうなるだろう。となると、大都駅での直角交差問題は、もう少し自然なものになり得るかもしれない。
 一方、昔は各地方へ向かうターミナルは、それぞれ方面別に異なる場所にあったという歴史もある。東京であれば、名古屋・大阪方面は東京駅、長野・新潟・仙台方面は上野駅、甲府・松本方面は新宿駅である。更に、房総方面は、錦糸町から東京方面へつながる前は両国駅だった。今では上野と東京がつながったりして、そんな垣根もいつの間にか消えてしまった印象もある。
 大都でも同様にその歴史は存在した。大都駅と月本橋駅が二大ターミナルとはいえ、昔の形方面のターミナルは中丸駅で、上野駅と同様の歴史をたどったという設定がある。これを加えることで、昔の大都駅の縦方向のキャパは軽減されたが、後になって中丸から大都を貫いて月本橋へ直結する線路が中丸線と並行して建設された。かくして、これが最終設定となるだろう。

架空都市設定資料「首都:大都」[No.7985]

 中央区域は、西端は三重塚付近に千代川が流れ、東端には田野川が流れる。その間には通川・大石川・井戸川が縦方向に流れて陸地を分断している。今では橋が架けられて簡単に往来できるが、川で輪切りにされたそれぞれの土地で、雰囲気が異なるかもしれない。地形はそれぞれ真ん中が若干標高が上がる小高い丘で、両端の川へ向かって標高が下がる構造で共通しているだろう。
 まずは三重塚から園井にかけてだが、ここは東京だと四谷の辺りの雰囲気に近いか…。昔から庶民的な住宅密集地だったとはいえ、地価の相場からすれば、現代の庶民レベルではとても手が届かないはずである。南の方では雁島区に接するので雰囲気はそちらと共通するが、詳細は後で書くことになる。
 続いて荒山から細田にかけて。ここも園井付近に近いが、大石川の向こう側はすぐに高層ビルの並ぶオフィス街である。雰囲気は文京区辺りに近いかもしれない。
 西多田から大都本町にかけては、度々書いた通り月本國内の中枢とも言えるオフィス街である。但し、東西本線より北側の小清水辺りは、やはり文京区に近い雰囲気だろう。大都駅北口から井戸川沿いにかけては、神田のような雰囲気と思われる。
 最後に田野川町から四倉にかけてだが、井戸川と田野川が結構大きな川なので、隅田川流域に近い雰囲気だろう。市電が走っているとあって下町の風情が漂っていると思われる。

架空都市設定資料「首都:大都」[No.7986]

 「月本橋区(げほんばしく)」
 区の名称になっている月本橋は、東京では道路元標のある日本橋と皇居へ通じる二重橋の両方に相当する。皇族の拠点である御所の入口に存在し、橋の対岸の御所門前は広場になっている。特別な行事の際には規制がかかるものの、普段はそこまで一般人が立入可能で、国内外を問わず観光客が多数訪れている。
 月本橋駅は、大都駅と双璧をなす首都:大都の二大ターミナルである。概ね南北方向に出口が存在するが、北は「役所口」、南は「御前口」と称される。前者はR1を中心に、中央区にかけて官庁街が続くのは既出である。一方、後者は昔は役人が暮らす街で、特に庶民階級が外堀より内側へ入ることは適わなかったとされる。それでも月本橋と御所門前だけは例外で、昔から身分を問わず数多の旅人が目指した聖地となっていた。それが現在に至るまで観光名所として受け継がれている。
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ごとりん

  • 著者:ごとりん
  •  架空想像国家「月本國」の全国地図描画作業を地味に続けている貧乏クリエーター。このブログの毎日更新が途切れない限り、無事に生存しているものと関知して下さい。
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 「月本國」では、2D-RPG向け現代和風素材の無償配布の他、開国(平成13年12月16日)~平成17年2月28日までの過去ログを扱っています。
「旧:月本国政府広報」
[No.1~1171]

 又、連載物「RPG制作雑記」「徒然なる200x裏技集」(↓のカテゴリーで★が付いているもの)等のwardファイル版過去ログを扱っています。このblogの過去ログが読みにくい場合は是非御利用下さい。

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